多くの会社員は、年末調整があるため、原則として確定申告の必要はありません。しかし、最近は副業での収入、資産運用など、
“確定申告が必要な収入”が発生することも。そのままにしていると「申告モレ」と指摘されることもあり注意が必要です。
見落としがちな「申告が必要な収入」はこんなもの
給与所得者である会社員(パート・アルバイト等を含む)の人は、多くの場合、年末調整によって所得税の納税手続きが完了します。
しかし、給与以外の所得の合計額が20万円を超えると、確定申告が必要となります。所得とは、収入から必要経費を差し引いた額のことです。
心当たりのある方は「申告モレ」に注意しましょう。


(1)満期保険金・解約返戻金の受取り
自分で保険料を負担していた生命保険や損害保険について、満期保険金や解約返戻金を一時金で受け取った場合は、「一時所得」として
確定申告が必要になることがあります(一時所得には、50万円の特別控除があります)。
(2)株式の売却・配当金による収入
上場株式の配当金・投資信託の分配金(配当所得)は確定申告不要制度を選択できますが売却等による利益(譲渡所得)については
「特定口座(源泉徴収なし)」や「一般口座」を利用している場合、確定申告が必要となる一方、「特定口座(源泉徴収あり)」であれば、
原則として確定申告は不要です。
ただし、確定申告を行うことで損益通算や配当控除を受けられる場合があります。また、株式等の取引で損失が出た場合は、確定申告を行うことで、その損失を翌年以降に繰越して、3年間にわたって利益から控除することができます。
(3)家賃収入
相続した物件の賃貸、転勤に伴う自宅の賃貸、空き家の貸し出しなどによって得た家賃収入は、必要経費を除いた額が「不動産所得」になります。
必要経費には、管理費、修繕費、固定資産税、保険料、ローン利息などが含まれます。
なお、同族会社の役員等が、給与以外にその同族会社から不動産の賃貸料等を受け取っている場合は、これらの所得が20万円以下であっても、
確定申告が必要です。
(4)資産の売却による収入
不動産の売却による収入がある場合は、原則として確定申告が必要です。自宅の売却については、「譲渡所得」として確定申告が必要ですが、
「居住用財産の3,000万円特別控除」などが受けられる場合には税負担が発生しないこともあります。
金地金などの貴金属を売却した場合も確定申告の対象となる場合があります。
(5)副業による収入
本業以外に配達員、文字起こし、動画編集などの副業による収入は、「雑所得」として確定申告が必要な場合があります。
アフィリエイト、ブログ、動画配信による広告収入など、インターネットを通じて得た収入は、必要経費を除いた額が「雑所得」となります。
雑所得が複数あるときには合算し、雑所得同士の損益通算も可能です。
(6)フリマアプリ等による収入
フリマアプリ等を利用した雑貨・家電などの売却収入は「雑所得」になりますが、生活の用に供にしている資産(古着や家財など)の売却収入は、
非課税のため確定申告は不要とされています。

(7)FXや暗号資産の取引による収入
FX取引で得た利益や、暗号資産の売却・交換・商品購入によって得た利益は「雑所得」となります。FX取引で損失が生じた場合、
申告義務はありませんが、確定申告を行うことで、損失の繰越しができる場合があります。
なお、FXの取引による所得は申告分離課税のため、他の雑所得との損益通算はできません。
給与以外の収入は、気づかないうちに「申告モレ」の原因になりがちです。不安があれば、早めに会計事務所にご相談ください。

※ここに注意
年末調整後に判明? 配偶者・子の収入が見込額と違ったら?
年末調整では、配偶者や子の所得金額の「見込み」(見積額)をもとに控除額を
計算しています。そのため、年末にパートやアルバイト収入が増えたり、予想外の収入が
あったりすると、年末調整時の申告内容と実際の所得が一致しない場合があります。
その結果、配偶者控除や扶養控除の控除額が変わったり、適用要件を満たさなくなったり
することがあります。
特に令和7年分の年末調整では、「特定親族特別控除」の適用にあたり、対象となる親族
(特定親族)の所得見積額が控除額に大きく影響します。特定親族の実際の所得が年末調整時の
申告額より多かった場合、控除額が過大となる可能性があります。このような場合は、
年末調整のやり直しや、確定申告が必要となります。放置するとペナルティを受ける
リスクがあるため注意しましょう。